投球障害を考える上で必要なコンディショニングの考え方の例

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投球フォームへの介入

アスレチックトレーナーとして投球動作の勉強は欠かせないが、どこまで介入するかという点は非常に線引きが難しい。理想なフォームは1つではない。選手によって骨の長さや形態が異なり、各筋のボリュームや発火タイミングが異なることで理想のフォームは1人1人異なってくると思われる。

しかしながら、障害予防という観点からは外せないポイントもいくつかあるのは確かである。

良好な投球とは体幹の並進・回旋エネルギーによりスローイングアームがしなった後にリーディング肩または軸足股関節を視点に振られる動作であるとされている(1)このような動作は障害予防の観点からも重要となりますし、高いパフォーマンスを発揮するという点においても重要であると僕は考えています。

この記事では投球の各相別に介入例を述べる

ワインドアップ期

片脚一本で完全静止する必要はあるか?

理想としては片脚で安定して立てることであるが、そこまで重要ではないと思う。というのも、クイックで投球する際には片脚一本で完全静止するフェーズがないように、選手によっては並進運動開始のタイミングが早い選手もいるので片脚一本で完全静止させることが投球動作において必ず必要ではないと思う。このことはピッチングメカニズムという本でも述べられている(2)

ただし、single leg stance testにおいて体幹・骨盤後傾や非立脚側の股関節外転・外旋などがみられる場合はコンディショニング不足が疑われるので原因にアプローチする必要があると思われる

ワインドアップ期に骨盤・体幹が後傾するとコッキング初期において立脚股関節の屈曲角度が浅くなり、必然的に膝関節の屈曲が優位となるので注意する。このようなフォームでは肘下がりにつながりやすい。

コッキング期

フットプラント時の姿勢はワインドアップ期やコッキング初期の姿勢に影響されるというコンセプトがある。(3)

この時期においては軸足股関節・膝関節の屈曲角度は同程度であるべきである。この姿勢を作れると軸足に体重を乗せやすくなる。

簡単にセカンド方向からチェックできるポイント

コッキング初期における軸足の膝関節が軸足のつま先よりも前方へ出ているかどうかで見れる。膝関節がつま先よりも前方へ出ている場合は膝関節は過剰に屈曲しており、股関節は相対的に屈曲していないはず。そのような状態では体幹・骨盤は後傾しているはずである。

この時に注意したいのは股関節屈曲しているようにみせかけて実は骨盤が後傾しており腰椎屈曲において代償しているパターンである。

簡単にサード方向からチェックできるポイント

右投手をサード側からみた時にチェックするポイントは軸足の膝とつま先の向きが一致していることである(3)

股関節外旋が強い場合

股関節と足部を結んだ線よりも膝関節が外側へシフトしているようにみえる。股関節外旋が過剰な場合では地面からの床反力を利用しづらくなり並進運動のエネルギーを生み出すことが難しくなる。

股関節内旋が強い場合

いわゆる膝が内側へ折れる姿勢となる。骨盤の早い開きの原因となりやすい

介入アプローチ例

軸足鼠径部に軸足側の手を添えてその手を挟み込むようにステップ脚を踏み出し、股関節屈曲が適切に出るように訓練すると良い と言われている(3)

また股関節屈曲を適切に使いながらしゃがみ込みの訓練を行うという点においてはスクワットやVertical jumpなど基本的な動作がとても良い訓練となる。このような基本動作が代償動作なく、エラー動作なく行えるようになることは投球動作において軸足股関節屈曲がでないという不良動作の改善への第一歩であると僕は考えます

参考文献

(1) 渡會 公治,小黒 賢二,竹田 秀明,奥野 達朗,中田 豊,稲波 和彦	投げ方の指導による成長期の野球肩・野球肘の治療	臨床スポーツ医学 = The journal of clinical sports medicine	02893339		1995-09-01	12	9	981-989	https://ci.nii.ac.jp/naid/10012235020/	
(2)
(3) 岩堀 裕介	成長期の投球障害への対応とアプローチ (特集 運動連鎖から見た投球障害) -- (運動連鎖を取り入れた投球障害の対応)	臨床スポーツ医学	0289-3339	文光堂	2012-01	29	1	67-75	https://ci.nii.ac.jp/naid/40019141400/	


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林 俊之介 ATC/CSCS/PHI Pilates Japan Instructor

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