アスレチックトレーナーであれば知っておくべき頚椎の脊髄損傷でみられる3つの異常姿勢

アスレティックトレーナーとしてスポーツ現場で働く場合、頚椎の脊髄損傷が起こるかもしれないと頭の片隅で心得ておく必要があります。

この機会にExamination of Orthopedic & Athletic Injuries EXAM OF ORTHOPEDIC & ATHLETIC [ Chad Starkey ]を使って少し復習してみます。

頚椎脊髄損傷でみられる異常姿勢

英語ではCervical Spinal Cord Injury と言います

脊髄が裂傷・圧迫による細胞死が起こればirreversible つまり可逆性はありません。圧迫が一時的であれば可逆性があります。つまり、元通りの機能を発揮できるということです。

僕はまだ幸い現場でみたことがありませんが、頚椎に強い衝撃が加わると異常姿勢がみられることがあります。以下の2つの姿勢が見られれば深刻な脊髄損傷が疑われます。

1.除脳硬直 (Decerebrate Posturing)

脳幹の損傷が疑われます。足関節底屈、肘伸展、前腕回内。

2.除皮質硬直 (Decorticate Posturing)

間脳周辺の損傷が疑われます。足関節底屈、肘屈曲、手首屈曲、手指屈曲で硬直した状態。

これら2つの姿勢を区別することは難しいかもしれませんが、
僕の覚え方でよければ参考にしてください

Decerebrate は e がDecorticateよりもたくさんあることに関連づけて Decerebrate posturing では肘がExtensionしている と覚えました。

Decorticate は c がDecerebrateよりも多くある(2こある)ことに関連づけて
Decorticate posturing では 肘がCurlしていると覚えました

Decerebrate vs. Decorticate Posturing

3. フェンシング反応 (Fencing response)

実は僕、あまりこの反応について知りませんでした
この反応の存在を知らなければ
脳に衝撃が加わってから腕が硬直している→除皮質硬直・除脳硬直だ!
と早合点していたかもしれません。。。

以下の文献によると脳震盪を受傷した直後の患者において6割ほどでみられるとされています

フェンシング反応は脳に衝撃を受けた後に発生する
典型的な姿勢は片方の腕が屈曲し、もう片方が伸展している状態である
首が回旋していることも多い

この反応はおおよそ10数秒続くことが多い。これよりも短いケースや長いケースもあると思われます

この反応はあくまで脳震盪に付随して起こる一時的な症状であり、脊髄の損傷を示す症状ではありません。
しかし、もちろんですが除皮質硬直・除脳硬直ではなくフェンシングレスポンスが出たからといって
「頚髄損傷ではないな。脳震盪だな」と決めつけてはいけません
これらの異常姿勢だけでは頚椎の骨折などは除外できないので、頚椎の安全な固定・速やかな医師による適切な処置は変わらず必要です
常に最悪の状況を想定して対応しなければいけません

文献: Brain injury forces of moderate magnitude elicit the fencing response. Hosseini AH, Lifshitz J. Med Sci Sports Exerc. 2009 Sep;41(9):1687-97.

Doctor Reviews Mason Rudolph Scary Knockout and POSTURING after CONCUSSION

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