乳酸性作業閾値(LT: lactate threshold)とは?

今日職場で聞かれたので少し復習してみました。書いて説明するとなると難しいもんです。

乳酸性作業閾値(LT: lactate threshold)とは?

運動強度設定を考える上で大切な点はいくつかありますが、その中でも知っておくべき知識が乳酸性作業閾値(LT: lactate threshold)です。

運動強度を徐々に上げていくと、血中乳酸濃度も徐々に上がっていきます。
しかし、ある強度を超えると血中の乳酸濃度が一気に増える点があります。
この強度を乳酸性作業閾値(LT: lactate threshold)と呼びます

AT(Aerobic threshold)無酸素性作業閾値という表現は適切か?

1970年代に行われていた研究ではLTの強度(乳酸の濃度が一気に高まる運動強度)で筋内が無酸素状態と考えられていたため、この閾値はAT(Aerobic threshold)無酸素性作業閾値とも呼ばれていました。

しかし、実際のところLTまたはATの運動強度は50−70%VO2maxであることを考えると、酸素が足りなくなって乳酸濃度が上昇したとは説明がつきません。

実際に酸素が足りなくなってくるのは運動強度が100%VO2maxに達したときであり、その強度はVTやATよりも遥かに高いです。

つまり、AT(Aerobic threshold)無酸素性作業閾値という用語は不適当と思われます。

乳酸性作業閾値(LT: lactate threshold)の運動強度では体内で何が起こっているか?

  • 糖分解の亢進
  • アドレナリンの分泌亢進

以上の2点が考えられます。

では、なぜ運動強度が上がってくると糖分解が亢進し、アドレナリンの分泌も亢進するのでしょうか?

それは運動強度が上がるに連れて速筋繊維の動員が増えるからです。
速筋繊維はグリコーゲンを多く含んでおり、代謝物として乳酸を酸性します。

乳酸の血中濃度上昇はどのアスリートも同じか?

結論からいうとみんな違う乳酸の血中濃度上昇曲線を示します。
急激に血中乳酸濃度が上昇するアスリートもいれば、なだらかに上昇するパターンもみられます。
これは主に 乳酸の産生能・酸化能 や 乳酸の筋からの放出と筋への取り込みの個人差が影響します。
同じアスリートでも血漿量(水分をしっかりとっているか・脱水していないか)の違いによって血中濃度上昇の程度は変わります。

LTを数値化するには?

現場に応用するためにはLTを数値化する必要があります。そのためには血中乳酸濃度が急激に上昇する点を判定しなければなりませんが、変化率でみていくと個人差がとても大きいので、絶対値で判定する方法が用いられます。

LTの数値化に使われるOBLAとは?

Onset of Blood Lactate Accumulationは日本でよく「オブラ」と言われます
この点は血中乳酸濃度が4mmol/Lに達した時点と定義されることが多いです。

血中乳酸濃度を参考にどのようにトレーニング強度を決定していけば良いか?
勉強がてら後日続編を書こうと思います。

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林 俊之介 ATC/CSCS/PHI Pilates Japan Instructor

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