関節運動と筋力発揮のタイミング

関節運動と筋力発揮のタイミング

遊脚期の膝関節伸展を例にして

つま先が離れる瞬間から踵が着く瞬間の歩行時の膝関節の運動を考えてみましょう。

このフェーズの筋力発揮を考える上で重要なのが考え方が

関節の見かけ上の運動と筋力発揮のタイミングは異なる

ということだと僕は考えます

関節運動と筋力発揮のタイミングは異なる

遊脚側の脚が地面に着地する直前には膝関節が伸展します。
膝が伸展した状態で着地することで歩行ストライド(歩幅)を稼ぐことができ、効率的な歩行になります。

では、僕たちが歩くときは一生懸命膝を伸ばしながら歩いているでしょうか?
遊脚が地面に着く前までに一生懸命膝を伸ばそうとするでしょうか?
実はそのようなタイミングで筋力発揮は起こりません。
膝関節を伸ばす筋力発揮のタイミングは実際に膝関節が伸展するよりも前に起こっています

  1. 膝関節を伸ばす筋力発揮
  2. 膝関節伸展

となります。膝を伸ばす筋力が発揮されるから膝が伸びる。
言われてみれば当たり前なのですが、ここでもう一つ抑えておきたい考え方があります。

膝を伸ばす筋力が発揮されていない時間も膝関節がなぜ伸びるのか?

それは膝関節伸展方向に慣性力が働いているからです。

そしてこの慣性力は膝関節伸展筋力からだけでなく、歩行中の重心の前方移動などによってももたらされます。

膝関節が慣性力をうまく利用できない条件はなにか?

スムーズな歩行には筋力発揮が適切なタイミングで行われ、慣性力を使った関節運動や重心移動が必要です。

この条件が失われたときにスムーズな歩行ができなくなるわけです。

では具体的にそのような条件とはなんでしょうか?
その条件は無限にありますが、いくつかよくある例を出してみます。

  1. 膝関節運動の抵抗が高い
    →周囲組織の拘縮があるとスムーズに膝関節を伸展・屈曲しづらくなります。そのような状態では少ない筋力発揮ではスムーズに膝関節が伸展できません。
  2. 筋力発揮のコントロールがうまくできない
    →もし膝伸展筋力が必要なタイミングで膝屈曲筋力が発揮されてしまうと、お互いの筋力発揮が邪魔し合ってスムーズに膝伸展ができません。
    →拮抗する筋肉が適切なタイミングでオン・オフを繰り返す必要があります。スムーズな歩行では筋力発揮のオン・オフがスムーズに行われることが前提です。
    →MMTでは膝伸展筋力は回復してきたと思ってもスムーズな歩行につながらないケースがあります。この場合はアイソメトリックでの筋力は回復してきたが筋力発揮のオン・オフがうまくコントロールできる段階までは回復していないと言えます。

まとめ

今回は膝関節の伸展運動と筋力発揮のタイミングについて書きました。実際の歩行中の膝関節のふるまいは足関節底屈トルクや股関節屈曲トルクによってももたらされるため、今回だけの話では歩行動作の全てを説明することはできません
(というより僕も全てを知っているわけではありませんし、まだまだ勉強中です)

筋力発揮のタイミング、慣性力、関節運動抵抗値などの概念は歩行だけでなく人間全ての動作を考察するうえで重要です。

例えば無駄な筋力発揮がないスムーズな投球動作は障害発生リスクが低い傾向にありますが、それは筋力発揮のタイミングや慣性力を踏まえて考えると納得がいく部分が多くあります。

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