上腕骨離断性骨軟骨炎(OCD: osteochondritis dissecans)とは?投球障害の概要

はじめに

OCDとは?

OCDは肘だけでなく他関節でも発生します。

また、野球だけでなくテニスや体操競技でも起こりえます。

この記事では野球における肘のOCDとして話を進めていきます。

上腕骨離断性骨軟骨炎(OCD: osteochondritis dissecans) は

osteo- : 骨

-chond- : 軟骨

-itis: 炎症

dissecans: この単語がosteochondritis以外にくっついているのはみたことないですが「離断性」という意味でしょうか?

これらの意味を合わせると離断性骨軟骨炎となります。

「野球肘」の分類

野球肘は診断名でもなく病態を説明するものでもありません

いわゆる野球肘は内側・後内側側・後側・外側で異なる障害として認識されます

  • 内側
    • UCL損傷
    • 回内筋症候群 など
  • 後内側側
    • 肘頭後内側の骨棘
    • 軟骨損傷  など
  • 後側
    • 肘頭疲労骨折 など
  • 外側
    • 上腕骨離断性骨軟骨炎(OCD)←本記事で述べる疾患
    • 関節遊離体

このように野球肘といっても様々な疾患が含まれています

上腕骨離断性骨軟骨炎(OCD)の病態

投球によって繰り返される肘外反ストレスが上腕骨小頭に集中すると軟骨にダメージが加わり、変性を起こしたり骨軟骨が剥がれ落ちてしまうことがあります。

上腕骨離断性骨軟骨炎(OCD)の症状

初期はわずかな鈍痛や軽度の違和感以外は特に症状がでないこともあります

関節軟骨表面に亀裂が入ったり変性が起こると疼痛も強くなってきます

骨軟骨片が関節内に遊離すると肘の曲げ伸ばしに引っかかる感じが生じて、骨軟骨片が関節内に挟まるとロッキングが起こります。(ロッキング:ロックして動かなくなる状態)

上腕骨離断性骨軟骨炎(OCD)の鑑別診断

肘OCDはその他の肘障害と区別される必要があります

  • 肘内側で疑われる病態
    • UCL損傷
    • 回内筋症候群 など
  • 肘後内側側で疑われる病態
    • 肘頭後内側の骨棘
    • 軟骨損傷  など
  • 肘後側で疑われる病態
    • 肘頭疲労骨折 など
  • 肘外側で疑われる病態
    • 上腕骨離断性骨軟骨炎(OCD)
    • 関節遊離体

上腕骨離断性骨軟骨炎(OCD)の所見

  • 引っかかり
  • ロッキング
  • 肘関節伸展制限

上腕骨離断性骨軟骨炎(OCD)の画像所見

岩瀬分類がよく用いられます

  1. 透亮期
  2. 分離期
  3. 遊離体期

上腕骨離断性骨軟骨炎(OCD)の治療

その他条件にもよりますが透亮期・分離初期で肘関節可動域制限が20度以上でない場合は保存治療が適応となるケースが多いです

ほとんどのケースで保存治療が選択されますが、難治性のケースは手術が選択されます

分離後期または遊離体期の症例ではマイクロフラクチャー・遊離体摘出術・骨軟骨移植術などが用いられる

骨軟骨移植術とは?

大腿骨の非荷重部より骨軟骨柱を何本か採取して、肘の軟骨欠損部に移植する。硝子軟骨で修復が可能&骨癒合が比較的良好であることはメリットだが、移植関節面の適合性などが問題となるケースがある

上腕骨離断性骨軟骨炎(OCD)の予防

投球によって繰り返される肘への外反ストレスが腕橈関節に対して圧迫力として作用して、軟骨障害を引き起こす

肘への外反ストレスが増大しないように肩甲帯の可動性なども含めて投球中の不良動作を評価し、改善プログラムを実施していくことが重要である

上腕骨離断性骨軟骨炎(OCD)に関するおすすめ図書

野球に関する傷害の病態・セルフケア・運動療法・治療方針・投球理論まで幅広くカバーしたおすすめの1冊。

免責事項

当ウェブサイトの情報は、一般知識提供のみを目的としています。
これらの情報はご自身の判断と責任によってご利用下さい。
これらの情報が医療診断または治療の代用として利用されることは意図されておらず、また想定もしておりません。
私が所属する団体・勤務する病院などの見解を代弁するものではありません。
新しい治療を開始する時や既存の治療を中止するには、必ず事前に医師またはその他の資格を持った医療提供者に相談して下さい。


アスレティックトレーニング 投球障害 解剖
シェアする
林俊之介ATC/CSCSをフォローする
林 俊之介 ATC/CSCS/PHI Pilates Japan Instructor

コメント