インターナルインピンジメントとは?投球障害の概要

Internal Impingement of the shoulder- Everything You Need To Know – Dr. Nabil Ebraheim
インターナルインピンジメント参考動画

はじめに

インターナルインピンジメント(Internal impingement)とはローテーターカフ(回旋筋腱板)の下面(つまり、関節側)で起こる病態のことです。

インターナル internal : 内部の

インピンジメント impingement:衝突

つまり、英語そのものの意味は内部で何かと何かが衝突している病態となります

では具体的にどこで何が衝突しているのでしょうか?何が問題なのでしょうか?

探っていきましょう。

インターナルインピンジメントの病態・解剖

よくインターナルインピンジメントの病態は PASTA lesion + SLAP tear だと説明されます

PASTA lesion とは?

Partial Articular surface Supraspinatus Tenson Avulsion の略で それぞれの意味は

Partial : 部分的な

Articular surface: 関節面の

Supraspinatus Tenson: 棘上筋腱

Avulsion: 裂離・剥離

となります。つまり、棘上筋腱付着部の関節面側の部分的な剥離です。

日本語の正式名がよくわかりませんが、少し調べると棘上筋腱大結節付着部関節面側裂離骨折や腱板関節包面部分断裂と言われているようです。

学会ではPASTA lesion(パスタ リージョン)とそのまま英語で言われることが多いです。

SLAP tear とは?

Superior Labrum Anterior to Posteriorの略です。それぞれの語の意味は

Superior Labrum (tear): 上部関節唇断裂

Anterior (to) Posterior: 前方から後方にかけて

(of the biceps root): 上腕二頭筋腱の

となります。

つまり、上腕二頭筋腱付着部である上部関節唇が前方から後方にかけて断裂している病態である と言えます


つまり、PASTA lesion + SLAP tearは

投球中に上腕骨大結節が関節窩の前方から後方にかけて圧力が加わることで、関節窩と上腕骨頭がぶつかり合うということです

インターナルインピンジメントの原因

インターナルインピンジメントを生じる側にはよく後方関節包のタイトネス(tightness of the posterior capsule)が散見される。

後方関節包のタイトネスがもたらす問題1つ目

このタイトネスはGIRD (glenohumeral internal rotation deficit)につながると言われています

GIRD は肩甲上腕関節の内旋可動域が不足した状態です

肩甲上腕関節の内旋可動域が不足するとインターナルインピンジメントを生じやすいといわれています

後方関節包のタイトネスがもたらす問題2つ目

またこのタイトネスはコッキング後期〜加速初期で肩関節が最大外転・最大外旋の状態となったとき上腕骨頭の回転中心を上方へずらしてしまう

このズレがローテーターカフや関節唇に負荷を与えます

インターナルインピンジメントの症状

後方関節包のタイトネス(tightness of the posterior capsule)を有する場合は同部位に圧痛・疼痛を認める場合が多い

疼痛はコッキング後期〜加速初期に生じやすいと言われています

コッキング後期〜加速初期は投球相における最大外転・最大外旋の状態であり、ストレスが加わりやすいフェーズといえます

インターナルインピンジメントの鑑別診断

肩峰下インピンジメント(Subacromial impingement )とは違う病態として認識されます。

インターナルインピンジメントの所見

健側と比較して外転90度での肩関節内旋可動域が25度以上不足しているケースが多い

対して、外転90度での肩関節外旋可動域は過剰であるケースもある

Bennett lesion

画像所見でよく言われるのがBennett lesionです

これは関節窩後下方の骨化または石灰化が起こっておりレントゲンで白くみられます

同部位に骨棘ができている状態です

AP viewもしくはaxillary viewで確認されます

インターナルインピンジメントの治療

  • 投球中止
  • 後方関節方のタイトネスを改善するためのストレッチ(例: スリーパーストレッチ)
  • ローテーターカフ強化

ほとんどのケースで保存治療が選択されますが、難治性のケースは手術が選択されます

Shoulder Stretch to Fix Your Shoulders (GET DEEP!)
Sleeper stretchの参考動画

インターナルインピンジメントの予防

  • 投球数制限
  • 後方関節方のタイトネスを予防するためのストレッチ実施
  • ローテーターカフの機能を維持するためのコンディショニング実施

アスレティックトレーナーとしては障害が発生する前にストレッチ・コンディショニングを通じて障害発生予防に努めたいところです

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林 俊之介 ATC/CSCS/PHI Pilates Japan Instructor

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