ACL整形外科テスト Anterior drawer test, Lachman test, Lever sign, Pivot shift test. どれをテストしたら良いの?

ACL整形外科テスト

ACLの整形外科テストで有名どころといえば

Anterior drawer test, Lachman test, Lever sign, Pivot shift testがあります。

Pivot shift testは僕は麻酔なしの状況では行ったことありません。オペ時に麻酔がかかって筋弛緩状態でないと正確に評価できないからです。

となれば現場で使えるテストは以下の3つが選択肢になります

Anterior drawer test, Lachman test, Lever sign

Anterior drawer testはLachman testやLever sign に比べると感度・特異度共に劣る報告が多くありますが、かといって全く使えないテストではありませんし、他部位のテストとの相性もあります。Posterior drawer testとの相性はめっちゃ良いです。同じ姿勢から脛骨を前に引き出して次は後ろに引き出して とすぐに次のテストへ移行できますし、それぞれのテスト実施時間もごくわずかです。

Lachman testやLever signは比較的最近提唱されてきたテストでAnterior drawer testと比較すると認知度はやや低いかな?という印象。

スキルがあるドクターではAnterior drawer testだけで多くの情報を得られるかもしれませんが、僕のような若手ATは

文献を調べてLachman testやLever signなどの統計学的特徴を知った上で

スキルが低くてもある程度正確な情報を得られるテストを選択していくべきだと考えます

それぞれのACL損傷テストについて少し復習してみましょう

下記にわかりやすいyoutube videoがありましたので貼っておきます

最後にはオススメ本も紹介しています。

Anterior Drawer Test

Anterior Drawer Test | Anterior Cruciate Ligament (ACL) Rupture

受傷後にハムストリングのmuscle guardingが出ている状態ではこのテストの精度が下がってしまう。

その際のコツとしては人差し指でハムストリングを押し上げるようにして

ハムストリングに筋張力が働かない状態で前方引き出しを行うとハムストリングによる脛骨の後方移動の影響を減らすことができる

Lachman Test

Lachman Test | Anterior Cruciate Ligament (ACL) Rupture Knee

Lever sign (or Lelli’s test)

The Lever Sign or Lelli's Test | Anterior Cruciate Ligament Rupture


Pivot Shift Test ピボット・シフト・テスト

The Lateral Pivot-Shift Test for Anterior Cruciate Ligament Rupture

色々論文調べてみると やっぱり麻酔がないとこのテストはなかなか使いにくい

麻酔ありと麻酔なしでは感度が大きく異なるみたい

麻酔なしの状態では感度が大きく下がってしまう

かといって現場で麻酔ありの状態でこのテストを行うことはまずない

そもそもこのテストは膝を一度亜脱臼させる方向へもっていくので患者とのコンプライアンスも重要になってくる


AT programでこのテストを学んでいる時はpivot shift test を臨床でも使うんだと思い込んでたけど、1つ1つのテストの特徴を整理してみると臨床で使えるテスト使えないテストがわかってきます。

MRIはACL断裂を完全には見抜けない?

恥ずかしながら整形外科クリニックで働くまで知らなかったのですが、MRIを取れば全ての組織の状態がうつりだされると思っていました。

しかし、どんなに腕のある医者であってもスライス枚数やスライス角度、解像度などによって診断には限界があるようで。切り方でうつらないものはわからないし、解像度が荒すぎてよくわからないものはよくわからない。(だそうです。AT programにいる時はこの辺り全く勉強しなかったので、今頑張って勉強しています。僕はもちろん医者じゃないので画像読める必要性はないのですが、今勉強中です。やっぱり全てを理解したい。。。!)

さて、MRIのACL損傷の診断力について調べた論文がこちら→https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5548790/

オープンアクセスなので手にとって読んでみると面白いと思います。

感度87 特異度90。この結果をみてどのように感じますか?

内視鏡に比べると劣った数字になります。

かといってACL損傷を調べるために内視鏡するわけにもいきませんし、

病院が徒手検査とレントゲンだけでACL損傷と診断できないのも事実

本当に切れている場合はMRIを患者さんに見せて、ほらここが切れてるでしょ?と見せることができるし、患者さんの自分の損傷部位に対する理解も深まります

ACL損傷を疑うケースでは慣例的にMRIは撮りますが、実際は内視鏡で直接みないとわからないことがあるのも事実

日本の場合は保険診療なのでこの症例に対してこのような時期でこのような検査を行わないと保険が適応されないといったことがよくあるので その慣例検査の中にMRIが入っているという背景もあるし

MRI検査はしいては病院の利益になるわけです

現段階の医療ではMRI検査は必要な検査ではありますが(ACL損傷疑いに対しては特に)、完璧な診断力をもった検査ではないということを肝に命じておかなければいかないのかもしれません。

オススメ図書 整形外科テスト

AT programにいる間多くの人がお世話になるStarkey。3rd edはKindle でも出版されているみたいですね。1つ1つ文献を読み込むことも本当に大切なのですが、まずはスターキーを読み込んで全体像を把握する。ことも知識の整理に有効かと思われます。


Orthopedic & Athletic Injury Examination Handbook (English Edition)

紙媒体だと4th editionがあります。僕がアメリカにいた時もこの本にお世話になりました。紙媒体はやっぱり書き込みができるからオススメです。今の僕のStarkeyは書き込みだらけで、本の端っこもゲジゲジになってます。それぐらい読み込んでいる一冊です。良書。


Examination of Orthopedic & Athletic Injuries, 4th ed. + Orthopedic and Athletic Injury Examination Handbook, 3rd Ed.


ACL アスレティックトレーニング オススメ図書
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林 俊之介 ATC/CSCS/PHI Pilates Japan Instructor

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